この記事では、ExxonMobil(エクソンモービル)の株への投資を検討している方に向けて、世界最大級の石油企業が脱炭素時代にどう立ち向かい、投資家への還元を続けているかを解説します。

「石油はオワコン」という声がある一方で、ExxonMobilの株価はここ数年で大きく上昇しました。

2022年のロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰、世界的な資源需要の強さ——石油メジャーの業績は2020年代に大きく改善しました。

それでも「いつかEVが普及し、石油需要がなくなる」という不安は消えません。Exxonはそのリスクをどうとらえているのか。解説します。


この会社、何をしてる?

ExxonMobilは原油・天然ガスの探鉱・採掘・精製・販売、石油化学製品の製造を行う統合エネルギー企業です。

主要事業は3つ。

上流(Upstream):油田・ガス田の探鉱・開発・採掘。ガイアナ(南米)、パーミアン盆地(テキサス)など低コスト油田の開発に注力。

中下流(Downstream & Chemical):原油の精製・ガソリン・ディーゼル・石油化学製品(プラスチック原料・潤滑油)の製造・販売。「Exxon」「Mobil」ブランドのガソリンスタンドチェーン。

低炭素事業(Low Carbon Solutions):CCS(炭素回収・貯留)・水素・バイオ燃料・リチウム採掘。脱炭素時代への対応として位置づけ。


実はここが儲かっている

ExxonMobilの収益の核心は「低コスト油田からの高マージン生産」です。

ガイアナ沖合の油田はコストが1バレルあたり20〜30ドル以下という超低コストで、原油価格が70〜80ドルなら1バレルあたり40〜60ドルの粗利が出ます。

パーミアン盆地(テキサス)のシェールオイルも重要です。PioneerNatural Resourcesの買収(2024年完了・600億ドル)でパーミアンでの生産量が急増し、低コスト資源の確保に成功しています。

化学事業も利益の柱です。プラスチック原料・ポリエチレンなどは新興国の工業化に伴い需要が増えています。


なぜこの企業は強い?

ExxonMobilの強みは「世界最低水準のコストで石油・ガスを生産する能力」にあります。

探鉱・採掘の技術力、大規模プロジェクトを実行する組織能力、長期的な低コスト油田への先行投資——これらが競合他社が追いつきにくい優位性を生んでいます。

また財務体質の強さも際立っています。負債比率は石油メジャーの中で最低水準で、原油価格が低迷する局面でも配当を維持できる財務力があります。

42年連続配当増配という記録を持つ「配当貴族」でもあります。


リスクは?

最大のリスクは「原油価格の変動」です。原油価格が下落すると収益が急減します。ロシア・OPEC+の生産量決定、世界経済の動向が直接業績に影響します。

長期的なEVシフトと石油需要の減少リスクも無視できません。電気自動車の普及が進むほど、ガソリン需要が徐々に減少します。2030〜2040年代にかけてこの傾向は強まると予想されています。

また気候変動訴訟・規制リスクもあります。大手石油企業は各国で「気候変動被害の賠償請求」や「排出規制」という法的リスクに直面しています。


今後どうなる?

ExxonMobilは「低炭素事業(CCS・水素・リチウム採掘)」への投資を拡大しています。

CCS(炭素回収貯留)技術では、化石燃料を燃やした際のCO2を地中に封じ込めることで、実質的な排出量を減らす技術への投資を最大化しています。ExxonはCCS最大手として位置づけることを目指しています。

リチウム採掘への参入も注目です。EV向けリチウムイオン電池の原料となるリチウムをアーカンソー州で採掘する計画があり、EV時代にも収益を得られる体制を整えようとしています。


まとめ

ExxonMobilを一言で言うなら、「低コスト油田で高収益を維持しながら、脱炭素時代への適応に最も積極的な石油メジャー」です。

石油への依存というリスクはありますが、低コスト資産・強固な財務・高配当・低炭素への移行投資が組み合わさった、エネルギーセクターの代表銘柄です。


よくある質問

Q. ExxonMobilの株は日本から買えますか? A. はい、SBI証券・楽天証券などで米国株ExxonMobil(XOM)を購入できます。高配当エネルギー株として人気があります。

Q. ExxonMobilの配当利回りはどのくらいですか? A. 2025〜2026年時点では3〜4%台です。42年連続増配という「配当貴族」の地位を持ち、長期インカム投資として評価されています。

Q. ExxonMobilとシェブロンはどちらに投資すべきですか? A. どちらも米国を代表する統合石油企業です。Exxonはガイアナとパーミアン開発、低炭素事業への投資が積極的。シェブロンはカザフスタンのテンギス油田など中東・中央アジアに強みがあります。ポートフォリオの分散として両方を少額ずつ持つ投資家も多いです。


※本記事は「企業分析」を目的とした内容であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。 ※投資は自己責任でお願いします。