この記事では、Salesforceの株への投資を検討している方に向けて、世界最大のCRM(顧客関係管理)ソフトウェア企業が、AIを武器に次の成長ステージに入った仕組みを解説します。

「Salesforce」という名前を聞いたことがない人でも、毎日Salesforceを使っている企業で仕事をしている可能性は高い。

世界150,000社以上の企業が「Sales Cloud」「Service Cloud」「Slack」などのSalesforceサービスを使って、営業・カスタマーサービス・マーケティングを管理しています。

2024〜2025年にSalesforceが仕掛けた新しい武器が「Agentforce(エージェントフォース)」——AIエージェントが営業・カスタマーサービスを自動化するサービスです。


この会社、何をしてる?

Salesforceは企業向けCRM(顧客関係管理)・ERP・コラボレーションのクラウドSaaSを展開する企業ソフトウェア最大手です。

主要製品は以下の通りです。

Sales Cloud:営業管理・パイプライン管理・案件追跡。世界の営業DXのデファクトスタンダード。

Service Cloud:カスタマーサービス・コールセンター管理。

Marketing Cloud:デジタルマーケティング自動化。

Commerce Cloud:eコマースプラットフォーム。

Slack:企業向けコラボレーションツール(2021年買収)。

Agentforce(2024〜):AI営業エージェント・AI CS(カスタマーサービス)エージェント。これが次の成長の核心。


実はここが儲かっている

Salesforceの収益の安定基盤は「SaaS(Software as a Service)の年間サブスクリプション収入」です。

一度契約した企業は毎年(または毎月)サブスクリプション料を払い続けます。導入した後は「他のCRMに乗り換える」ことが非常に難しいため、解約率が低い。この「ストック収入」がSalesforceの強みです。

Agentforceの有料化が2025〜2026年の最大の収益ドライバーです。AIエージェントを「1タスクあたり数セント」で課金する新モデルにより、SaaSのサブスク収入に加えてAIの従量課金収入が積み上がる構造です。


なぜこの企業は強い?

Salesforceの強みは「スイッチングコストの高さ」にあります。

企業がSales CloudにCRMデータを数年分蓄積してしまうと、他のサービスに移るのは実質的に非常に難しい。「データとプロセスの全移行」というコストと期間を考えると、多少価格が上がっても使い続ける顧客が多い。

また「プラットフォームとしての統合性」も強みです。Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloud・Slackが一つのエコシステムに統合されており、複数サービスを使うほど乗り換えが難しくなります。


リスクは?

Salesforceの課題は「高い株価バリュエーションと成長鈍化リスク」です。

SaaSの成長は過去ほど高い水準ではなく、新規顧客獲得コストが上昇しています。Agentforceが想定通りに収益化できなければ、成長鈍化への失望から株価下落のリスクがあります。

競合の台頭もリスクです。マイクロソフト(Dynamics 365 + Copilot)、HubSpot、ズームインフォなどが中小企業向けCRM市場で競争を激化させています。

また大規模M&A(Slack・Tableauなど)の統合コストが収益性を圧迫してきた経緯があります。


今後どうなる?

Agentforceの本格的な収益化が2025〜2027年の成長を左右します。AIエージェントが企業の営業・カスタマーサービスを自動化する市場は巨大で、Salesforceは既存顧客基盤を活かして優位に展開できます。

また、クラウドデータレイクの「Data Cloud」との統合が、顧客データの分析・AIへの活用を深め、付加価値を高める方向に働いています。


まとめ

Salesforceを一言で言うなら、「世界最大のCRMプラットフォームを持ちながら、AIエージェントで次の成長を狙う企業ソフトウェアの王者」です。

ストック収入の安定性とAgentforceというAIの成長カタリストが組み合わさった、中長期の成長株として価値があります。


よくある質問

Q. Salesforceの株は日本から買えますか? A. はい、SBI証券・楽天証券などで米国株Salesforce(CRM)を購入できます。

Q. Agentforceとは何ですか? A. 企業の営業・カスタマーサービス業務を自動化するAIエージェントです。顧客とのチャット対応、商談のフォローアップ、問い合わせ回答などをAIが代行し、企業の生産性を高めます。

Q. Salesforceは配当を出しますか? A. 2025年に初の配当開始(0.5%程度)と自社株買いを発表しました。従来は利益を成長投資に全振りしていたため、配当開始は「成熟企業への移行シグナル」とも見られています。


※本記事は「企業分析」を目的とした内容であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。 ※投資は自己責任でお願いします。