米国株の買い方を初心者向けに、口座開設から為替・手数料・税金・NISAまで一気にわかるよう解説します。

「アップルやエヌビディアの株を買いたいけれど、ドルはどうするの?」「手数料はいくら?」「注文したのに買えていない…」——米国株は日本株と少しだけ仕組みが違います。最初に全体像をつかんでおくと、最初の1株をスムーズに買えます。

この記事でわかること

  • 米国株を買う全体の流れ(6ステップ)
  • 円貨決済とドル転(外貨決済)の違いと選び方
  • 手数料の種類と往復コストの考え方
  • 取引時間・サマータイムのポイント
  • 約定しない時の原因と対処
  • 配当の二重課税と外国税額控除の仕組み
  • 新NISAの成長投資枠で米国株を買う際の注意点

なお、米国株は為替変動と株価変動の両方の影響を受け、元本割れの可能性があります。投資は余裕資金の範囲で、自己責任で検討してください。


著者について:個人で投資・企業分析を継続するブログ運営者が執筆。一次情報(決算短信・有報)を読む分析スタイル。特定銘柄の投資推奨はしない。


目次

  1. 米国株を買う全体の流れ
  2. STEP 1:外国株式に対応した口座を用意する
  3. STEP 2:為替の基本——円貨決済とドル転(外貨決済)
  4. STEP 3:手数料の仕組みを理解する
  5. STEP 4:取引時間と時差(サマータイムに注意)
  6. STEP 5:銘柄を探して注文する(1株から買える)
  7. 買えない・約定しない時の原因と対処
  8. 米国株の税金——配当の二重課税に注意
  9. NISA(新NISA)で米国株を買う
  10. よくある質問
  11. まとめ
  12. 情報源・参考資料

米国株を買う全体の流れ

まず大きな流れをつかんでおきましょう。手順そのものは日本株とほぼ同じで、「為替」というステップが1つ加わるイメージです。

  1. 外国株式に対応した証券口座を開く(多くのネット証券が対応)
  2. 口座に日本円を入金する
  3. 必要なら円を米ドルに替える(ドル転。円のまま買う方法もある)
  4. 銘柄をティッカー(英字コード)で検索する
  5. 数量・注文方法(成行/指値)・決済方法を指定して発注する
  6. 約定(購入確定)を確認する

この中で初心者がつまずきやすいのが「3. 為替」と「5. 注文方法・取引時間」です。順に見ていきます。


STEP 1:外国株式に対応した口座を用意する

米国株は、外国株式の取り扱いがある証券会社の口座が必要です。多くのネット証券では、総合口座を開けば外国株式取引もあわせて使えるようになっています(別途、外国株取引の利用申し込みが必要な場合もあります)。

口座開設の手順そのものは、新NISAや日本株の口座と共通です。基本的な開設の流れ(必要書類・申し込みステップ)は新NISA|口座開設から最初の1本を買うまでの全手順で詳しく解説しているので、口座をまだ持っていない方はあわせて参考にしてください。

口座開設時のチェックポイントは次のとおりです。

  • 外国株式(米国株)の取り扱いがあるか
  • 米国株の取引手数料の水準(後述)
  • 円のまま買えるか(円貨決済対応)/ドル転のしやすさ
  • 取引アプリで米国株が探しやすいか

STEP 2:為替の基本——円貨決済とドル転(外貨決済)

米国株は米ドルで取引されるため、円をドルに替えるという工程が関わります。ここが米国株ならではのポイントです。決済方法には大きく2種類あります。

円貨決済(円のまま買う)

注文時に証券会社が自動で「円→ドル」の両替を行い、そのまま買い付けてくれる方式です。

  • メリット:ドルを自分で用意する必要がなく、手間が少ない。初心者向け。
  • 注意点:両替が注文に紐づくため、為替手数料の条件は会社ごとに確認が必要。

外貨決済(ドル転してから買う)

あらかじめ自分で円をドルに替えておき、そのドルで株を買う方式です。「ドル転」と呼ばれます。

  • メリット:為替が円高のタイミングでまとめて両替するなど、為替コストや換えどきをコントロールしやすい。
  • 注意点:ドル残高の管理や両替操作が必要で、ひと手間増える。

どちらを選べばよいか

最初は円貨決済で十分です。仕組みに慣れ、取引額が増えてきたらドル転を検討する、という順番が現実的です。

ここで重要なのが為替変動リスクです。たとえば1ドル150円のときに買った米国株は、株価が変わらなくても1ドル140円(円高)になれば円換算の評価額は目減りします。逆に円安が進めば円換算では増えます。米国株は「株価」と「為替」の二重の値動きを持つと理解しておきましょう。

為替手数料(スプレッド)は1ドルあたり数十銭程度が一般的ですが、水準やキャンペーンは会社・時期によって変わります。正確な料率は各証券会社の公式の手数料ページで確認してください。


STEP 3:手数料の仕組みを理解する

米国株の取引でかかるコストは、主に次の2つです。

コストの種類 中身 ポイント
取引手数料 売買のたびにかかる手数料 「約定代金の◯%(上限あり)」が一般的。最低・上限の金額に注意
為替手数料(為替スプレッド) 円⇔ドルの両替コスト 1ドルあたり◯銭という形。円貨決済では実質ここに含まれる

加えて、保有時には後述する配当への課税も実質的なコストになります。

手数料を見るときのコツ

  • 「約定代金の◯%・上限◯ドル」という構造が多いため、少額売買では割高になりやすい点に注意します。小刻みに何度も売買すると手数料がかさみます。
  • 片道ではなく往復(買い+売り)でコストを試算すると、実際の負担感が見えます。
  • ETFや一部銘柄では取引手数料が無料(キャンペーン含む)の場合もありますが、条件は時期で変わるため公式情報で確認しましょう。

手数料の具体的な料率は証券会社ごとに異なり、改定もあります。本記事では一般的な構造のみを示しています。最新の数値は各社の公式ページをご確認ください。


STEP 4:取引時間と時差(サマータイムに注意)

米国株でつまずきやすいのが取引時間です。ニューヨーク市場が開いているのは現地時間の平日 9:30〜16:00。日本とは時差があるため、日本では夜から翌朝にかけてが取引時間になります。

期間 米国市場(日本時間の目安)
サマータイム(夏時間・3月〜11月頃) 22:30〜翌5:00
標準時間(冬時間・11月〜3月頃) 23:30〜翌6:00

ここでのポイントはサマータイム(夏時間)の存在です。米国では3月〜11月頃に時計を1時間進めるため、日本から見た取引開始時刻が1時間早まります。「いつもの時間に注文したのに約定しない」という混乱の多くは、この時差・夏時間の切り替わりが原因です。

なお、多くのネット証券では取引時間外でも予約注文を出しておけます。日中に注文を入れておけば、米国市場が開いたタイミングで処理されます。


STEP 5:銘柄を探して注文する(1株から買える)

ティッカー(英字コード)で探す

米国株は銘柄ごとにティッカーシンボルという英字コードが割り振られています。たとえばアップルは「AAPL」、エヌビディアは「NVDA」です。検索窓にこのコードか企業名を入れて銘柄を探します。

1株から買える

日本株は多くが100株単位(単元株)ですが、米国株は原則1株から購入できます。株価が200ドルの銘柄なら、約200ドル+手数料・為替コストで1株を持てます。少額から始めやすいのは米国株の利点の一つです(証券会社によっては1株未満で買える端株サービスもあります)。

具体的にどんな銘柄があるかをイメージしたい方は、個別企業の分析記事もあわせてどうぞ。たとえばApple(AAPL)株の企業分析や、AI半導体で注目されるNVIDIA(エヌビディア)株の企業分析、世界最大のファウンドリTSMC株の企業分析などを読むと、ティッカーや事業内容のイメージがつかめます。

注文方法(成行・指値)

注文方法 内容 向いている場面
成行(なりゆき) 価格を指定せず「いくらでもいいから買う」 すぐ約定させたいとき
指値(さしね) 「◯ドル以下なら買う」と価格を指定 買いたい価格をコントロールしたいとき

初心者がいきなり成行を出すと、想定より高い価格で約定することがあります。最初は指値で価格をコントロールすると安心です。あわせて、決済方法(円貨決済 or 外貨決済)と数量を指定して発注します。


買えない・約定しない時の原因と対処

「注文したのに買えていない」というのは初心者によくあるつまずきです。主な原因と対処を整理します。

症状 考えられる原因 対処
注文したのに約定しない 取引時間外(米国市場が開いていない) 取引時間・サマータイムを確認。予約注文を活用する
指値が約定しない 指値が現在の株価から離れている 指値の価格を見直す。急ぐなら成行を検討
「買付余力不足」と出る 資金(円またはドル)が足りない 入金する/円貨決済に切り替える/必要額をドル転する
ドルで買おうとして弾かれる ドル残高がない(外貨決済を選択) 先にドル転する、または円貨決済を選ぶ
そもそも銘柄が出てこない その証券会社で取り扱いがない 取り扱い銘柄一覧を確認する
売買が制限されている 一部の銘柄・状況で取引制限がかかることがある 証券会社のお知らせ・銘柄ステータスを確認

最初に疑うべきは「取引時間」と「資金(買付余力)」の2つです。この2点を確認するだけで、多くの「買えない」は解決します。


米国株の税金——配当の二重課税に注意

米国株を保有すると、株価の値上がり益(売却益)と配当金が利益になります。税金の扱いで日本株と特に違うのが配当の「二重課税」です。

米国株の配当には、まず米国で源泉徴収(一般に10%)がかかり、そのうえで日本でも課税(約20.315%)されます。つまり同じ配当に対して米国と日本の両方で課税される状態が起こり得ます。

この二重課税を一定範囲で取り戻す仕組みが外国税額控除です。確定申告で外国税額控除を申請すると、米国で引かれた税額の一部を日本の税金から差し引ける場合があります。

  • 売却益:日本国内で約20.315%の課税(円換算した損益が対象)。
  • 配当:米国で約10%+日本で約20.315%。外国税額控除で一部取り戻せる可能性がある。

税制は改正されることがあり、適用条件は個々の状況で異なります。具体的な申告手続きや控除の可否は、国税庁の情報や税務署・税理士など専門家に確認してください。本記事は一般的な仕組みの説明にとどめます。


NISA(新NISA)で米国株を買う

新NISAの成長投資枠では、対象となる米国の個別株やETFを買うことができます(つみたて投資枠は対象が投資信託中心のため、米国個別株は成長投資枠が中心になります)。

NISA口座で得た売却益・配当は日本国内では非課税になります。ただし注意点として——

  • 米国側の源泉徴収(配当への約10%)はNISAでも引かれます。NISAは日本の課税を非課税にする制度であり、米国の課税まで免除するものではありません。
  • NISA口座内の配当は日本で非課税のため、外国税額控除は基本的に使えません(控除する日本の税金がそもそも発生しないため)。

NISAの全体像や口座開設の手順は新NISA|口座開設から最初の1本を買うまでの全手順を、米国株インデックスへの投資を投資信託で行う場合の考え方は新NISA|S&P500とオルカン、どちらを選ぶべきか?を参考にしてください。


よくある質問

Q. 米国株は日本円のままでも買えますか? A. 買えます。「円貨決済」を選べば、注文時に証券会社が自動で円をドルに替えて買い付けます。一方、自分で先にドルへ替える「外貨決済(ドル転)」も選べ、為替コストを抑えやすい場合があります。いずれも為替変動の影響を受ける点は同じです。

Q. 米国株は1株から買えますか? A. 買えます。日本株のような100株単位ではなく、原則1株から購入できます。株価200ドルの銘柄なら約200ドル+コストで1株を保有できます。

Q. 注文したのに約定しないのはなぜですか? A. まず取引時間(米国市場が開いているか・サマータイムの切り替わり)と、資金(買付余力やドル残高)を確認してください。指値が現在の株価から離れている場合も約定しません。

Q. 配当の二重課税とは何ですか? A. 米国株の配当に米国で約10%、さらに日本で約20.315%が課税されることを指します。確定申告で外国税額控除を使うと、米国分の一部を取り戻せる場合があります(NISA口座内では基本的に対象外)。

Q. 手数料はどれくらいかかりますか? A. 取引手数料(約定代金の一定割合・上限あり)と為替手数料(円⇔ドルの両替コスト)が中心です。水準は証券会社ごとに異なり改定もあるため、各社公式の手数料ページで最新の数値を確認してください。

Q. 新NISAの成長投資枠で米国株は買えますか? A. 買えます。対象となる米国個別株やETFを購入でき、日本側の売却益・配当は非課税です。ただし米国側の配当源泉徴収(約10%)はNISA口座でも引かれます。外国税額控除はNISA口座内では基本的に使えません。

Q. 初心者はどの注文方法から始めるとよいですか? A. 最初は「指値注文」をおすすめします。成行注文は想定より高い価格で約定することがあるため、指値で購入価格の上限を設けるとコストを管理しやすくなります。


まとめ

米国株の買い方の要点を整理します。

  1. 外国株式に対応した口座を用意する(開設手順は日本株・NISAと共通)
  2. 為替を理解する——最初は「円貨決済」で十分、慣れたら「ドル転」も検討
  3. 手数料は往復で試算——少額の頻繁な売買はコスト負けしやすい
  4. 取引時間は日本の夜〜朝——サマータイムで1時間ずれる点に注意
  5. 1株から・ティッカーで検索・最初は指値で注文する
  6. 買えない時はまず取引時間と資金(買付余力)を確認
  7. 税金は配当の二重課税に注意——外国税額控除という仕組みがある
  8. NISAの成長投資枠でも米国株は買える(日本側は非課税・米国源泉は残る)

米国株は「為替」という一手間が加わるだけで、基本の流れは日本株と変わりません。仕組みを一度理解してしまえば、1株から少額で世界的な企業の株主になれるのが魅力です。


情報源・参考資料

本記事は、各証券会社の公式説明資料・国税庁の公開情報・金融庁の新NISA関連資料を参考に、一般的な仕組みを整理したものです。具体的な手数料・税率・制度の詳細は以下の公式情報で最新版をご確認ください。

最終更新日:2026-06-16 / 次回見直し:四半期ごと

※投資は自己責任でお願いします。投資判断に迷う際はFP・証券会社等の専門家にご相談ください。


※本記事は投資教育を目的とした内容であり、特定の金融商品・金融機関への投資を推奨するものではありません。 ※米国株は株価変動に加え為替変動の影響を受け、元本割れの可能性があります。投資は余裕資金の範囲で、自己責任でお願いします。 ※税制・手数料・取引時間などの条件は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は各証券会社・国税庁などの公式情報でご確認ください。


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