この記事では、株の始め方を初心者向けに、最初の口座開設から実際に1株を買うところまで、つまずきやすいポイントも含めて一つずつ解説します。

「株を始めてみたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」「いくらから買えるの?」「いきなり損をしたら怖い」——多くの人が最初に感じる疑問を、この1記事でまとめて解消できる構成にしています。手順・必要なもの・少額で始める方法・NISAの使い方・銘柄選びの考え方・リスクと心構え・よくある失敗まで順に見ていきましょう。

なお、株式投資は元本割れの可能性があり、利益を保証するものではありません。投資は余裕資金の範囲で、最終的な判断は自己責任で行ってください。


株を始める全体の流れ

まず大きな流れをつかんでおきましょう。やることは大きく4ステップで、思っているよりシンプルです。

  1. 証券口座を開設する(ネット証券が手軽)
  2. 口座に入金する(少額でOK)
  3. 銘柄を選ぶ(個別株 or 投資信託)
  4. 注文する(数量・注文方法を指定して発注)

この4つを終えれば、あなたはもう株主です。それぞれのステップを、初心者がつまずきやすい点を補足しながら詳しく解説していきます。


STEP 1:証券口座を開設する

株を買うには、まず証券会社の口座が必要です。銀行口座では株は買えません。

ネット証券をおすすめする理由

証券会社には対面型(店舗)とネット証券がありますが、初心者にはネット証券をおすすめします。

ネット証券のメリット

  • 売買手数料が安い(条件次第で無料の場合も)
  • スマートフォンだけで開設・取引が完結する
  • 単元未満株(1株単位)など少額サービスが充実している
  • 営業の勧誘がなく、自分のペースで進められる

対面証券は相談できる安心感がありますが、手数料が高めで、すすめられた商品をそのまま買ってしまいやすいという面もあります。最初は自分で調べながら少額で試せるネット証券が向いています。

口座開設に必要なもの

口座開設の前に、以下を手元に準備しておくとスムーズです。

  • マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証などの本人確認書類)
  • スマートフォン(本人確認の撮影・アップロードに使用)
  • メールアドレス
  • 入金用の銀行口座(あとで証券口座に入金するために使う)

開設の手順

ネット証券の口座開設は、おおむね次の流れで進みます(証券会社によって細部は異なります)。

  1. 証券会社の公式サイトで「口座開設」を申し込む
  2. メールアドレスを登録し、基本情報(氏名・住所・生年月日など)を入力する
  3. あわせて新NISA口座も申し込む(後述。最初に一緒に申し込むのがスムーズ)
  4. 本人確認書類をスマートフォンで撮影・アップロードする
  5. 審査完了の連絡を待つ(通常は数営業日)
  6. ログインID・パスワードが発行され、取引できるようになる

口座開設・維持の費用は基本的にかかりません。NISA口座を後から追加すると手続きに時間がかかるため、可能なら最初の申し込み時に一緒に開設しておくのがおすすめです。

新NISA口座の開設手順をもっと詳しく知りたい方は、新NISA|口座開設から最初の1本を買うまでの全手順で画面の流れまで解説しています。


STEP 2:口座に入金する

口座が開設できたら、株を買うための資金を証券口座へ入金します。

入金方法

  • 即時入金(おすすめ):提携銀行のオンラインバンキングから、ほぼリアルタイムで資金を移せます。手数料無料の場合が多く便利です。
  • 銀行振込:通常の振込でも入金できますが、反映までに1〜2営業日かかることがあります。

いくら入金すればいい?

「最初にいくら入れるべきか」は多くの人が迷うポイントですが、結論は少額で構いません

大切なのは「生活に影響しない余裕資金で始める」ことです。生活費や近い将来に使う予定のあるお金(学費・家賃・緊急予備資金など)を株に回すのは避けましょう。株価は短期的に上下するため、すぐ使うお金を入れていると、下落時に冷静さを保てなくなります。

まずは「最悪なくなっても生活が揺らがない金額」から始め、慣れてきたら無理のない範囲で増やしていくのが現実的です。


株はいくらから買える?(少額・単元未満株)

初心者が最も気になるのが「いくらから株が買えるのか」でしょう。ここは少し仕組みの説明が必要です。

通常は100株単位(単元株)

日本株は原則として100株単位(1単元)で売買します。たとえば株価が2,000円の銘柄を買う場合、最低でも 2,000円 × 100株 = 20万円 が必要になります。有名企業だと最低数十万円〜になることも珍しくありません。

1株から買える「単元未満株」

しかし、多くのネット証券は単元未満株(1株単位で買えるサービス)を提供しています。これを使えば、

  • 株価2,000円の銘柄を 1株2,000円から
  • 株価500円の銘柄なら 500円から

といった具合に、数百円〜数千円で株主になれます

買い方 最低購入単位 株価2,000円の銘柄の場合
単元株(通常の取引) 100株 約20万円
単元未満株(1株単位) 1株 約2,000円

単元未満株は「まずは1株だけ買って値動きを体験してみる」という練習に向いています。少額のうちに注文の操作や値動きの感覚に慣れておくと、金額を増やすときの不安が減ります。

注意:単元未満株は証券会社によって取扱銘柄や手数料・注文できる時間帯が異なります。また、単元未満では株主総会の議決権がないなど、通常の株式と扱いが異なる点もあります。詳細は各証券会社の公式情報で確認してください。

投資信託(インデックスファンドなど)であれば、ネット証券では月100円から積み立てられる場合もあります。「個別株はまだ怖い」という人は、投資信託の少額積立から始めるのも一つの方法です。


NISA(新NISA)を活用する

株を始めるなら、ぜひ知っておきたいのが新NISAです。

通常、株や投資信託で得た利益(値上がり益・配当)には約20.315%の税金がかかります。たとえば10万円の利益が出ても、約2万円が税金として引かれる計算です。

一方、NISA口座の中で得た利益は非課税になります。同じ10万円の利益でも、NISA口座なら税金がゼロです。これは長く投資を続けるほど効いてくる大きなメリットです。

新NISAには2つの枠があります。

主な対象 向いている使い方
つみたて投資枠 一定の基準を満たす投資信託 コツコツ積み立てる長期の土台づくり
成長投資枠 投資信託・個別株・ETFなど 個別株を買う・配当株を持つなど

個別株を非課税で買いたい場合は「成長投資枠」を使います。初心者は、まず投資信託をつみたて投資枠で積み立てつつ、興味のある個別株を成長投資枠で少額買ってみる、という組み合わせが現実的です。

NISAは制度が比較的複雑なため、全体像と最初の1本の選び方は新NISA|口座開設から最初の1本を買うまでの全手順で詳しく解説しています。あわせて読むと理解が深まります。

NISA口座は1人1口座のみで、複数の金融機関で同時に持つことはできません。最初にメインで使う証券会社で開設するのがおすすめです。


STEP 3:銘柄を選ぶ——初心者の考え方

入金まで終えたら、いよいよ「何を買うか」です。ここが一番悩むところですが、初心者は派手に勝つことより大きく負けない仕組みを優先するのが鉄則です。

いきなり1社に集中投資しない

「この会社は伸びそう」と感じた1社に資金を全部入れるのは、初心者が最も避けたい行動です。どんな優良企業でも、業績悪化・不祥事・業界全体の逆風などで株価が大きく下がることがあります。1社に集中していると、その1社の不調が資産全体の致命傷になりかねません。

分散の考え方

リスクを抑える基本は分散です。分散には主に次のような軸があります。

  • 銘柄の分散:複数の会社に分けて投資する
  • 業種の分散:自動車・通信・食品・金融など、異なる業種に分ける
  • 時間の分散:一度に買わず、複数回に分けて買う(積立など)

「個別株を1社ずつ分散して選ぶのは大変」という場合は、投資信託(インデックスファンド)が手軽です。1本買うだけで何百〜何千もの銘柄に自動的に分散投資できるため、初心者の土台として広く使われています。

個別株を選ぶときに見る最低限の指標

それでも「応援したい会社」「身近な会社」の個別株を買ってみたい、という気持ちは投資を続けるモチベーションになります。個別株を選ぶときは、最低限、以下のような視点を持っておくと衝動買いを避けられます。

  • 事業内容を自分で説明できるか(何で儲けている会社か理解できるか)
  • 割高・割安の目安(PER・PBRなどの指標)
  • 収益性の目安(ROEなど)

これらの指標の意味と読み方は株価が割高か割安かを判断する|PER・PBR・ROEの見方で初心者向けに解説しています。指標を知っておくと「人気だから」「話題だから」という理由だけで買ってしまう失敗を減らせます。

身近な企業の事業内容や収益構造をイメージしたい場合は、個別企業の分析記事も入口になります。たとえばトヨタ自動車の企業分析ソニーグループの企業分析NVIDIA(エヌビディア)の企業分析などを読むと、「この会社は何で稼いでいるのか」をつかむ練習になります。

ここで紹介する企業はあくまで分析の例であり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。


STEP 4:注文する

買いたい銘柄が決まったら、いよいよ注文です。注文方法には主に2種類あります。

注文方法 内容 向いている場面
成行(なりゆき) 価格を指定せず「いくらでもいいから買う」 すぐに約定させたいとき
指値(さしね) 「◯円以下なら買う」と価格を指定する 買いたい価格をコントロールしたいとき

初心者がいきなり成行注文を出すと、想定より高い価格で約定してしまうことがあります。最初は指値で価格を決めて注文すると安心です。

注文の基本的な流れは次のとおりです。

  1. 銘柄を検索する(銘柄名 or 証券コードで検索)
  2. 「買い注文」を選ぶ
  3. 数量(株数)を指定する(単元未満株なら1株から)
  4. 注文方法(成行 or 指値)を選ぶ
  5. 内容を確認して発注する
  6. 約定(購入確定)を確認する

注文を出しても、取引時間外や指値が現在の株価から離れている場合は、すぐには約定しません。「注文したのに買えていない」と感じたら、まず取引時間と指値の価格、買付余力(資金)を確認しましょう。


リスクと心構え

株式投資を続けるうえで、最初に必ず理解しておきたいのがリスクです。ここをあいまいにしたまま始めると、下落時に冷静さを失って大きな失敗につながります。

元本は保証されない

株式投資は預金とは違い、元本(投資したお金)が保証されていません。株価が下がれば資産は目減りし、売却すれば損失が確定します。利益を約束する投資商品は存在せず、「必ず儲かる」「絶対に増える」といった話は警戒すべきものと考えてください。

短期の値動きに一喜一憂しない

株価は日々、ときに大きく上下します。短期の値動きに振り回されて狼狽売り(パニックで売ること)をすると、損失が確定しやすくなります。長期的な視点を持ち、日々の値動きを見すぎないことも一つの心構えです。

自分が理解できる範囲で投資する

仕組みや事業内容を自分で説明できないものには手を出さない、というのは初心者を守る原則です。SNSや知人の「これは儲かる」という言葉だけで判断せず、自分で調べて納得できる範囲にとどめましょう。

最終判断は自分で

情報収集の参考に他人の意見を使うのは構いませんが、買う・売るの最終判断は自分の責任です。誰かのおすすめどおりに動いて損をしても、その人が補填してくれるわけではありません。


よくある初心者の失敗

最後に、初心者がやりがちな失敗を整理しておきます。先に知っておくだけで、多くは避けられます。

  • 余裕資金以外を投じてしまう:生活費や近く使うお金を入れると、下落時に追い詰められて狼狽売りしやすくなる。
  • 1社に集中投資する:当たれば大きいが、外れたときのダメージも大きい。分散が基本。
  • 値動きを見すぎる:頻繁にチェックして一喜一憂し、感情で売買してしまう。
  • 話題・人気だけで買う:自分で事業内容や割安・割高を判断せずに飛びつく。
  • 下落で慌てて売る:一時的な下落で売って損を確定させてしまう。
  • 手数料を意識しない:少額で何度も売買すると、手数料が利益を圧迫することがある。
  • 無理にレバレッジ・信用取引に手を出す:仕組みを理解しないまま使うと、損失が投資額を超えることもある。初心者はまず現物取引から。

これらはどれも「焦り」と「情報不足」から生まれます。少額・分散・長期を意識し、わからないことは調べてから動く——これだけで失敗の多くは避けられます。


よくある質問

Q. 株はいくらから始められますか? A. 単元未満株(1株単位)を使えば、数百円〜数千円から買えます。通常の日本株は100株単位ですが、ネット証券の単元未満株サービスなら株価ぶんの少額で1株から購入できます。投資信託なら月100円から積み立てられる場合もあります。

Q. 株は何から始めればいいですか? A. まずネット証券で口座を開設し、あわせて新NISA口座も申し込むのがスムーズです。マイナンバーカードと本人確認、スマホ、入金用の銀行口座を準備しましょう。最初は少額・分散から始めるのが無難です。

Q. 初心者はいきなり個別株を買っても大丈夫ですか? A. 買えますが、1社に集中して大きな金額を入れるのはリスクが高めです。まずは少額の単元未満株や投資信託(インデックスファンド)で分散することから検討するのが無難です。株式投資は元本割れの可能性があります。

Q. NISAは使ったほうがいいですか? A. 通常は利益に約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内の利益は非課税です。長く続けるほどメリットが大きいため、活用を検討する価値があります。個別株を非課税で買う場合は成長投資枠を使います。

Q. 成行と指値、どちらで注文すべきですか? A. 初心者は、買いたい価格をコントロールできる「指値」から始めると安心です。成行はすぐ約定する反面、想定より高い価格で買ってしまうことがあります。


まとめ

株の始め方の要点を整理します。

  1. ネット証券で口座を開設する(マイナンバーカードを準備・NISA口座も一緒に申し込む)
  2. 余裕資金を入金する(生活費や近く使うお金は使わない)
  3. いくらから? → 単元未満株なら数百円〜(投資信託なら月100円からも可能)
  4. NISA(成長投資枠)を活用する(利益が非課税になる)
  5. 銘柄は分散から(1社集中を避け、投資信託やインデックスも活用)
  6. 最初は指値で注文する(想定外の高値づかみを防ぐ)
  7. リスクを理解する(元本割れあり・短期の値動きに振り回されない・最終判断は自分)

完璧な準備を待っているうちに時間だけが過ぎてしまうのは、よくある「始められない失敗」です。まずは単元未満株で1株、少額から体験してみると、ニュースの見え方や経済への関心が変わってきます。無理のない範囲で、最初の一歩を踏み出してみてください。


※本記事は投資教育を目的とした内容であり、特定の金融商品・金融機関への投資を推奨するものではありません。 ※株式投資は元本割れの可能性があり、利益を保証するものではありません。投資は余裕資金の範囲で、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。 ※手数料・税制・各種サービスの条件は変更される場合があります。最新かつ正確な情報は各証券会社・金融庁・国税庁などの公式情報でご確認ください。


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